ひとことで言うと
権利の内容が異なる複数の株式。配当や議決権などについて定款で9種類まで設計できる。
解説
剰余金の配当、残余財産の分配、議決権の制限など、権利の内容が異なる2以上の種類の株式をいう。会社法は9つの事項について内容の異なる定めを置くことを認めており、定款に定めることで発行できる。
くわしく解説
設計できるのは、剰余金の配当、残余財産の分配、議決権制限、譲渡制限、取得請求権付、取得条項付、全部取得条項付、拒否権付(いわゆる黄金株)、役員選任権付の9つである。これらを組み合わせることで、資金は出すが経営には関与しない投資家向けに議決権制限株式と優先配当を組み合わせるといった設計ができる。事業承継では拒否権付種類株式が使われる。後継者に普通株式の大半を譲りつつ、先代が拒否権付種類株式を1株だけ持っておけば、重要な決定に歯止めをかけられる。ただし先代に相続が起きると株式が分散する危険があるため、取得条項を併せて付けておく実務がある。種類株式を発行している会社では、ある種類の株主に損害を及ぼすおそれがある場合に種類株主総会の決議が必要となる。なお公開会社では、議決権制限株式の数が発行済株式総数の2分の1を超えたときは、ただちに2分の1以下にする措置をとらなければならない。
具体例で考えよう
後継者に普通株式を集中させる一方、先代が拒否権付種類株式を1株保有しておけば、定款変更や重要な資産の処分に歯止めをかけられる。
試験対策ポイント
9種類の顔ぶれを挙げられるようにする。拒否権付種類株式(黄金株)と役員選任権付種類株式は事業承継での活用が問われる。公開会社では議決権制限株式が発行済株式総数の2分の1を超えてはならない。
関連法令
会社法第108条、第115条、第322条
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