ひとことで言うと
物権は法律で定められたもの以外は創設できないという原則。契約自由の原則が及ばない領域。
解説
物権は民法その他の法律に定めるもののほか、当事者が自由に創設することができないという原則をいう(民法第175条)。債権が契約自由の原則のもとで内容を自由に設計できるのと対照的である。
くわしく解説
物権は特定の物を直接かつ排他的に支配する権利であり、当事者以外のすべての人に対して主張できる。そのため、どのような物権がどれだけの内容で存在するのかを外から見て分かるようにしておかなければ、取引に入ろうとする第三者が不測の損害を被る。物権法定主義はこの要請に応えるものであり、公示の原則(登記・引渡し)と一体で物権制度を支えている。民法が認める物権は、占有権と本権に分かれ、本権は所有権と制限物権に、制限物権はさらに用益物権と担保物権に整理される。もっとも社会の必要から、譲渡担保や所有権留保のように法律に定めのない担保手段が判例によって認められており、物権法定主義は実際には緩やかに運用されている。また慣習法上の物権として流水利用権や温泉専用権が認められた例もある。試験では、債権との対比(排他性の有無、法定か自由か)を軸に問われる。
具体例で考えよう
当事者が合意しても「3年だけ所有権に似た支配をする権利」といった新種の物権を作ることはできない。できるのは債権としての契約を結ぶところまでである。
試験対策ポイント
物権は法定、債権は契約自由という対置が核。理由は第三者が外から分かるようにするため(公示の要請)。譲渡担保のように判例が認めた非典型担保があることも押さえる。
関連法令
民法第175条
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