ひとことで言うと
その分野の技術者が容易に思いつけないこと。特許と実用新案の登録要件で、求められる高さが違う。
解説
その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、出願前の公知の技術にもとづいて容易に発明をすることができたものでないことをいう。特許と実用新案に共通する登録要件であるが、実用新案では特許より低い水準で足りる。
くわしく解説
新規性が「世の中に無いこと」を問うのに対し、進歩性は「既にあるものから簡単に思いつけないこと」を問う。公知の技術を少し組み合わせれば誰でも到達できる程度のものに独占権を与えれば、かえって技術の進歩を妨げるからである。判断するのは当業者、すなわちその分野の通常の知識を有する者という仮想の人物であり、発明者本人の能力ではない。実用新案では考案に高度性が求められないことに対応して、進歩性の水準も「きわめて容易に」考案できたかどうかで判断され、特許より緩やかである。意匠法では進歩性ではなく創作性が要件とされ、判断するのもその分野のデザイナーである。言葉が入れ替えられた選択肢が出題されるため、特許・実用新案は進歩性で当業者、意匠は創作性でデザイナーという対応を押さえておきたい。なお実用新案は無審査主義であるため、進歩性は登録の段階では審査されず、無効審判や実用新案技術評価の場面で判断される登録無効要件として働く。
具体例で考えよう
既存の2つの部品を単に組み合わせただけの構造は、当業者が容易に思いつけるとして進歩性が否定され、特許を受けられないことがある。
試験対策ポイント
実用新案の進歩性は特許より低い水準で足りる。意匠は進歩性ではなく創作性で、判断主体はその分野のデザイナー。産業上の利用可能性は意匠では工業上の利用可能性となる。
関連法令
特許法第29条2項、実用新案法第3条2項、意匠法第3条2項
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